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I.緒言
先天性白内障は,成人のそれに比し,成因,性状も異なり,混濁の部位,程度,形状も多岐にわたり,その発生時期も生下時にすでに認められるものもあり,生後数カ月より数年あるいはそれ以後に出現するものもある。したがつて,名称も先天性白内障というよりdevelopmental cataracts(発達白内障)と呼称するのが適当とされている。原因的にみても,遺伝性のもの,風疹白内障,未熟児白内障のように遺伝とは無関係のもの,各種症候群(先天性代謝異常を含む)の一症状として出現する場合など様々である。停在性のものもあれば,進行性のものもあり,両眼性のものもあれば,片眼性の場合もある。成人の白内障に比し,他の眼異常,全身異常を随伴することが多く,白内障の性状の多様性,乳幼児の眼球の解剖学的,生理学的の特異性,術後の眼鏡,コンタクトレンズ矯正のむつかしさ,麻酔の問題点など,成人の場合とは,比較にはならぬ程多くの問題点があり,かっ,視力,視機能の予後は,成人の場合に比し,著しく不良とされている。手術の適応,その時期,術式をめぐる議論は多く,いまだ決定的な結論を得るには至つていない。先天素因による弱視,失明が重視されている今日,小児眼科領域では,その予防,治療に力を注ぐべき重要な疾患であることはいうまでもない。
Twenty-six consecutive operations for uni-lateral congenital cataract arc reviewed. The-re was a strikingly high incidence of associa-ted ocular anomalies, particularly of squint and microphthalmos. The postoperative resu-lts, when judged by visual acuity and binocu-lar function obtained, were very poor. In one case aged 10 years, who underwent successful cataract surgery at the age of three and in whom visual evoked response was studied, the affected eye showed absence of cortical respo-nse to visual stimulation.
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