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特集 網膜硝子体手術の新しいスタイル
映像システムの進化と眼科顕微鏡手術への応用
Evolution of the digital display system and its application to ophthalmic microscopic surgeries
野田 徹
1,2
Toru Noda
1,2
1国立病院機構東京医療センター眼科
2東京医療保健大学大学院看護研究科
pp.1794-1810
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212525
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はじめに
これまで術者は手術顕微鏡の接眼レンズを通して術野を観察しながら手術操作を行い,ビデオカメラを用いたモニター映像はあくまで映像記録または見学者への供覧のために用いられてきた。しかし近年,モニター映像が肉眼観察を凌ぐ性能を備えるに至り,顕微鏡手術の主役となる準備が整いつつある。さらにすでに内視鏡手術が主流となりつつある一般外科領域では,肉眼をはるかに凌ぐ8K映像技術など映像工学の最先端技術がそのまま手術へ応用されてきている。しかし,眼科手術領域には,術野面積がきわめて小さい,視細胞への光障害のため照明光量が制限される,眼球光学系の収差により高精細な観察が妨げられる,といった他領域にはない条件が介在するため,映像工学技術の進化の臨床応用への律速段階となる可能性が危惧される。
本稿では,今後医療分野へ応用されていく映像技術の進化と眼科手術における課題と展望について概説する。
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