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特集 網膜硝子体手術の新しいスタイル
画像診断の進歩 — 硝子体手術症例へのOCT angiographyの導入
Application of OCT angiography in vitrectomy cases
安田 俊介
1
Shunsuke Yasuda
1
1名古屋大学大学院医学系研究科眼科学・感覚器障害制御学教室
pp.1788-1792
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212523
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はじめに
光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)において,解像度の向上および計測の高速化により可能となった技術の1つに,光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography:OCTA)があり,近年急速に普及してきている。OCTAの原理は,同一部位を連続的に複数回スキャンして,それらの画像の間にある変化を血流情報として抽出し,画像化するというものである。網脈絡膜内で動的変化を示すのは通常血管内の血流のみであるので,血流情報を抽出することで血管像を構築することができる。
造影剤を使用することなく網膜や脈絡膜の循環状態を画像化できることが,これまでの蛍光眼底造影と比べて大きな利点であり,OCTAが今後,蛍光眼底造影に取って代わる重要な検査になることが予想される。加齢黄斑変性や糖尿病網膜症,網膜静脈閉塞症などの血管障害については,新しい病態の解明や一般臨床レベルでもOCTAが使用されてきている。
本稿では,硝子体手術症例におけるOCTAの有用性について述べる。
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