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ことば・ことば・ことば 魚の目
pp.508
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212220
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- 文献概要
麦粒腫の患者を見なくなりました。原因は,中耳炎や慢性副鼻腔炎,すなわち蓄膿がなくなったのと同じではと思われます。すなわち,抗生物質のお蔭ではなく,子供たちの栄養状態が良くなったことがその背景にあるようです。
疾患名としての「麦粒腫」は,200年前に造語されました。プレンキの『眼科書』のオランダ語訳が日本に到来し,これを杉田玄白の子である杉田立卿が『眼科新書』として翻訳したときに,hordeolumをこう命名したからです。オオムギの学名がHordeum vulgareなので,hordeolumは「小さな麦粒」になります。もちろん立卿がラテン語を知っていた筈はないのですが,プレンキの本にはオランダ語も併記してありました。Gerstengraenがそれで,ドイツ語のGerstenkornに相当します。Gersteはオオムギ,graenは英語のgrainのことです。
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