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特集 眼疾患の一次予防と二次予防—眼疾患はどこまで予防可能か?
成人を対象とした眼科検診の可能性
Perspectives for Vision Screening Program for Adults
山田 昌和
1,2
,
阿久根 陽子
2
,
平塚 義宗
3
Masakazu Yamada
1,2
1杏林大学医学部眼科学教室
2国立病院機構東京医療センター・感覚器センター
3順天堂大学医学部眼科学講座
pp.62-67
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212131
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はじめに
本邦の視覚障害(ロービジョンまたは失明:米国基準で良いほうの眼の視力が0.5未満)の有病者数は約164万人であり,今後の高齢化社会の進行に伴い,2030年には202万人に達すると予想される1,2)。本邦で視覚障害の主要原因となっているのは,緑内障(24.3%),糖尿病網膜症(20.6%),変性近視(12.2%),加齢黄斑変性(10.9%),白内障(7.2%)であり,この5つで全体の3/4を占める2)。また,視覚障害の半数は70歳以上,72%が60歳以上であり,視覚障害は高齢化社会で重要性が高まる。したがって,これらの加齢性,変性疾患を早期に発見する成人眼科検診プログラムの確立が今後の視覚障害の疾病負担の増大を抑制することにつながると考えられる。
本稿では,成人眼科検診に関してこれまでに筆者らが行ってきた臨床疫学,医療経済学の面からの分析結果について概説し,今後の展望について述べる。
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