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あとがき
鈴木 康之
pp.1946
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212119
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最近,一気に寒くなり秋から冬への季節の変化を感じる昨今です。もうすぐ京都で開催される臨床眼科学会で見られる紅葉も,きっと素晴らしいだろうと楽しみです。
さて,「臨床眼科」12月号ですが,『今月の話題』として三田村先生の「躍動する脈絡膜」,特集は「脈絡膜から考える網膜疾患」と,さながら脈絡膜特集号のようになっています。その背景としては三田村先生が指摘されているようにOCTの進歩により脈絡膜の詳細な所見がとれるようになり,さらにインドシアニングリーン蛍光眼底造影検査やレーザースペックルフローグラフィなどの結果を組み合わせることにより,これまで得られなかった病態の変化を捉えられるようになったことが挙げられます。また,このような脈絡膜検査の進歩により加齢黄斑変性や中心性漿液性脈絡網膜症などの病態や治療経過の評価にも新たな視点,新たな知見が得られてきています。一方,詳細なデータ取得が可能になったことで,脈絡膜の構造や血流動態が,年齢や屈折,眼軸長などによって影響されることや,有意な日内変動が存在することが明らかになってきており,疾患に関する解析や症例の継時的な解析などにおいて,それらの影響および変動を意識して測定・検討を行わないと誤った結論が導き出される危険性があることがわかってきています。
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