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特集 美しさを追求する眼形成—眼瞼手術の基本手技+仕上がりを高めるコツ
睫毛内反症
Epiblepharon
上笹貫 太郎
1
Taro Kamisasanuki
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科感覚器病学眼科学
pp.1738-1745
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212075
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はじめに
睫毛内反症は,瞼板の位置は正常であるが,眼瞼の皮膚によって睫毛のみが内反し,眼表面に接触している状態である(図1)。Lower eyelid retractors(以下,LERs)の皮膚穿通枝が脆弱であるため,前葉(皮膚,眼輪筋)が睫毛上に乗り上がってしまい,睫毛が眼球側へ内反して角膜を傷つける1)。基本的に後葉(瞼板など)は正常で,退行性眼瞼内反症のように瞼板の回旋はない。睫毛内反症は小児の下内反症の98%を占めるが2),小児や下眼瞼に限らず,成人や上眼瞼に認めることも少なくない。特に高齢者では,上眼瞼皮膚弛緩症に伴って起こることも多い。睫毛内反症手術は,角膜障害の改善のみならず,整容的な変化も大きいため,術前に十分な説明を行うことが重要である。
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