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特集 眼内レンズアップデート
LASIK眼の眼内レンズの選び方
Intraocular lens selection for post-LASIK eyes
神谷 和孝
1
Kazutaka Kamiya
1
1北里大学医学部眼科学教室
pp.48-57
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211675
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はじめに
わが国では,通常眼内レンズ(intraocular lens:IOL)度数計算として,第三世代理論式であるSRK-T式を用いることが多い1)。LASIK(laser in situ keratomileusis)後のIOL度数計算は予測性が低く,通常白内障眼と同様にSRK-T式で算出すると“refractive surprise”と呼ばれる大きな屈折誤差(多くは遠視化)を生じることとなる。LASIK術後のIOL度数計算における術後屈折誤差の原因として,以下のものが考えられる。第一に,LASIK施行後の角膜屈折力分布が中央で不均一となり,ケラトメータで測定する傍中心部と中央部における角膜屈折力の差が大きくなる。第二に,LASIK術後では角膜前後面の屈折力の比率が変化しているにもかかわらず,ケラトメータでは角膜前面のデータのみで角膜前後面の屈折力を推定するため,LASIK施行後に通常の角膜換算屈折率を用いると角膜屈折力が過大評価される。第三に,LASIK施行後にフラット化した角膜屈折力から術後前房深度を推定すると,前房深度はほとんど変化しないにもかかわらず,予測前房深度が浅く計算され,遠視化を生じる。第四に,製造過程におけるIOL度数そのものの誤差が挙げられる。本稿では,LASIK後のIOL度数計算およびそのIOL選択について概説する。
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