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特集 これからの眼底血管評価法
SD-OCT
Spectral domain OCT
辻川 明孝
1
Akitaka Tsujikawa
1
1香川大学医学部眼科学教室
pp.1744-1750
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211645
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はじめに
眼底血管評価法としては,眼底写真を用いたものが長らく中心であった。古くはScheieによる高血圧網膜症の分類,網膜血管の高血圧性変化・硬化性変化を分類したKeith-Wagener-Barkeの分類が有名である(表1)1)。これらの分類は主観的な評価であり,同一検者が評価しても再現性が低いことが常に指摘されてきた。現在,このような評価を行う機会は少ない。
その後,Wisconsin大学で開発されたIVANというソフトウェアを用いた視神経乳頭周囲の動静脈径の評価が大規模に行われるようなった。視神経乳頭を中心に撮影された眼底写真からIVANを用いて乳頭周囲動静脈径を計測する(図1)。太いほうからそれぞれ6本の動静脈径の値を用いてCRAE(central retinal artery equivalent),CRVE(central retinal vein equivalent)という値を算出する。この方法はsemi-automaticな手法であり,再現性が比較的高いため眼底動静脈径評価のスタンダードとして多くの大規模研究で用いられてきた2)。この方法は眼底写真からの評価であるので,理論的には血管内腔の横径を測定している。しかし,動脈硬化の強い高齢者の動脈は境界が不鮮明になり,測定しにくいことも多い。また,クオリティの低い写真からの評価では誤差を生じやすい。
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