連載 眼の組織・病理アトラス・20
脈絡膜
岩崎 雅行
1
,
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.682-683
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210418
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脈絡膜choroidは強膜と網膜の間に位置する厚さ0.1〜0.3mmの血管と色素に富んだ褐色の膜である.ぶどう膜の後方を占め,前方は鋸状縁で毛様体実質に移行し,後方は視神経乳頭で欠損する.組織学的には網膜側から,ブルッフ膜Bruch's membrane,脈絡膜毛細管板choriocapillaris,血管層vascular layer,脈絡上板suprachoroidの4層に分けられる(図1).
ブルッフ膜は厚さが約2μmで,電子顕微鏡的には5層が区別できる.網膜側から,網膜色素上皮細胞の基底板,内側膠原線維層,弾性線維層,外側膠原線維層,毛細管板内皮細胞の基底板である(図2).網膜と脈絡膜の間の接着,物質代謝などに関与している.
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