海外文献情報
視神経炎ではフリッカー光の自覚的明るさが異なり,病期でも変わる。
若倉 雅登
1
1北里大
pp.1857
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211056
- 有料閲覧
- 文献概要
脱髄性視神経炎と圧迫,虚血等による他の視神経症を視機能障害の特徴から区別しえないだろうかというのは大きなテーマである。Aulhornはいわゆる視神経炎(ON)でフリッカーの明るさが正常者より暗くみえることを発見し,上半が照度一定で周波数が可変のフリッカー刺激,下半が被検者によりその照度を調整できるようにした非フリッカー光の投影装置を作り調べてきた。本論文はこの装置を用いてONの急性期には中周波数で自覚的輝度の低下と低周波数で逆に増強が起こることを多数例で明らかにした。そしてONが回復してくるとまず前者が,次いで後者が消失するという,ONの時期により変化することを示した。このようにフリッカーの自覚的輝度はONにおいて特徴的変化を示すばかりでなく,炎症の活動性によるステージ分けにも有用で,予後や治療の評価に際し応用できる比較的簡単な検査法であるとしている。なぜこのような変化を示すかについては,ニューロンのon, offセンターの位相変化で説明しようとしている。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.