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I.緒言
私らはさきにゴールドマン視野計を改造してフリッカー球面視野計を作り,イソプトメトリーをおこなつて視野内の時間的分離能の分布(すなわちフリッカー視野)を測定した。またこれを各種疾患眼につき測定して量的視野の成績と比較したところ,明度識別能の低下(すなわち量的視野のDepression)が全くないのに,時間的分離能が著明に低下する数種の疾患を見出すにいたつた。それは,1)視神経炎,2)脳下垂体近辺の腫瘍(脳下垂体腫瘍,頭蓋咽頭腫瘍など)と3)緑内障の三者であつた。これらの共通点を求めればいずれも第Ⅲノイロン侵襲と考えられる点であり,第Ⅰ第Ⅱノイロン侵襲の疾患や,第Ⅳノイロン侵襲疾患ではこのようなことはなかつたので,このように時間的分離能が特異的に低下するのが第Ⅲノイロン侵襲の特徴であろうと考えるにいたつた。そしてこの現象を,この三者の疾患の早期診断の目的に日常臨床的に用いた結果,多数の患眼の早期診断に成功し,その有能であることを証明した。
しかしこれはあくまでも球面視野計のデータであつて光標の位置的精度はよくなかつた。そのため,2)による半盲性機能低下では問題はないが,1)の視神経炎による機能低下部の存在は,発見は出来るがその形は明確にとらえにくかつた。
A new flicker campimeter was constructed by the authors modifying the standard projection tangent screen of Bausch & Lomb. The appara-tus enabled the study of isopters for critical flicker fusion frequency (c.f.f.) in central vi-sual field.
In early glaucomatous eyes the presence of lower c.f.f. area was detected which extended up-and-downwards from the blind spot with the new apparatus, while it was undetected through conventional campimetry using the original projection tangent screen or perimeter of Goldmann. It is suggested that the observed pathological area represents preceding form of Bjerrum scotoma.
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