Japanese
English
特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(4)1988年9月 東京
学術展示
アルドース還元酵素阻害剤Statilの虹彩血管透過性亢進に対する効果
Effect of Statil, aldose reductase inhibitor, on galactose-induced hyperpermeability of iris vessels
照林 宏文
1
,
赤木 好男
1
,
高橋 幸男
1
,
辻 俊明
1
,
横井 則彦
1
Hirofumi Terubayashi
1
,
Yoshio Akagi
1
,
Yukio Takahashi
1
,
Toshiaki Tsuzi
1
,
Norihiko Yokoi
1
1京都府立医科大学眼科
pp.818-819
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210798
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
緒言 糖尿病性網膜症の重症度や進行度を知るひとつの手段としては,螢光眼底撮影における血管透過性亢進の所見が非常に重要である。この際に,虹彩における血管透過性亢進を認める事があるが,これは虹彩ルベオージスの早期発見のために重要な徴候である。さらに,この虹彩血管透過性亢進は,網膜血管透過性亢進に先立つ変化であるという報告1)もあり,臨床上虹彩における血管透過性亢進の検索が重要だと思われる。本研究では,25%ガラクトース食餌にて飼育したガラクトース血症ラットにおいて,虹彩血管透過性亢進を前眼部螢光血管造影とHorseradish Peroxidase(HRP)酵素組織化学法にて証明し,アルドース還元酵素阻害剤(Statil)の予防効果を検討した。
方法 生後3週齢(体重50g)のSprague-Dewley系雄ラット90匹を使用し,以下の3群に分けた。正常群:正常食餌で飼育する群。ガラクトース群:25%ガラクトース食餌で飼育する群。ARI群:25%ガラクトース食餌にアルドース還元酵素阻害剤の Statil(ICI)を0.046%加えた食餌で飼育する群。食餌開始1,2ヵ月の時点で尾静脈より0.05mlのフルオレセインを注入し,前眼部螢光血管撮影を行った。食餌開始後1,2,3,5ヵ月の時点では虹彩血管透過性をHRP,(Sigma, TypeⅡ)の透過性により組織学的に検索した。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.