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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(3)1988年9月 東京
学術展示
外傷性眼内炎初期の硝子体所見
Histological findings of vitreous in early-stage traumatic endophthaimitis
三島 弘
1
,
村上 純子
1
,
三島 博子
1
,
森川 康行
1
,
大鳥 利文
1
Hiroshi Mishima
1
,
Junko Murakami
1
,
Hiroko Mishima
1
,
Yasuyuki Morikawa
1
,
Toshifumi Otori
1
1近畿大学医学部眼科
pp.600-601
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210737
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- Abstract 文献概要
緒言 穿孔性眼外傷の重篤な合併症のひとつに眼内炎が考えられる。眼内炎の治療には硝子体内への抗生物質注入の他,発症早期に硝子体手術を行うことが有効であると報告されている1)。しかし,穿孔性眼外傷において臨床的に眼内炎の発症を診断することは困難な場合が多い。我々はすでにBモード超音波検査による経時的な硝子体の観察が眼内炎の診断及び手術時期の決定に有用であることを報告してきた2,3)。しかし,眼内炎の初期において硝子体中にどの様な病態が生じているかについてはほとんど報告されていない。そこで,今回,眼内炎初期の硝子体像を知る目的で,超音波検査にて小嚢様陰影が認められ眼内炎と診断し硝子体手術を施行した症例の術中に得られた硝子体を組織学的に検討した。
症例 3歳,男児。初診:1988年3月18日。主訴:眼痛,発赤。現病歴:1988年3月17日夜,ドライバーで右眼を突き翌日近医を受診し角膜穿孔,虹彩脱出を指摘され当科を紹介され受診した。既往歴・家族歴:特記すべきことなし。初診時所見:視力は右0.01(矯正不能),左1.0。右眼角膜の4時から5時にかけて,角膜輪部より2mmの部に虹彩脱出を伴う穿孔創を認めた。前房は消失し,中間透光体,眼底は透見不能だった。左眼は異常なし。
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