連載 眼の組織・病理アトラス・23
脈絡膜悪性黒色腫と交感性眼炎
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.1022-1023
発行日 1988年9月15日
Published Date 1988/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210501
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交感性眼炎はぶどう膜のメラニン細胞に対する自己免疫疾患とされているが,交感性眼炎を起こす誘因はまだ明らかではない.その可能性として,眼外傷や内眼手術の際にぶどう膜のメラニン細胞が破壊されることによって,または外傷に際してウイルスなどの微生物が感染することによって,ぶどう膜に自己免疫反応としての炎症が起こるのではないかと推測されているが,いずれも確証はない.
交感性眼炎とぶどう膜メラニン細胞との関係を示唆するものとして,脈絡膜悪性黒色腫と交感性眼炎の合併が注目される.脈絡膜悪性黒色腫に合併した交感性眼炎は腫瘍がある方の眼が起交感眼で,腫瘍のない他眼が被交感眼である.
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