連載 眼の組織・病理アトラス・6
交感性眼炎
猪俣 孟
1
1九州大学
pp.392-393
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209999
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交感性眼炎は1眼の穿孔性眼外傷や内眼手術の後,第1眼(起交感眼)の炎症が遷延または再燃し,同時に他眼(被交感眼)にも炎症を起こす疾患である.起交感眼の炎症に他眼が同情(交感)して炎症を起こしたものとしてその名がある.角膜縁付近の穿孔性外傷で,虹彩または毛様体が損傷されて結膜下に露出された状態(図1)が続くと発症しやすい.
起交感眼の炎症も被交感眼の炎症もいずれもぶどう膜炎である.起交感眼では創傷部の炎症症状が遷延し,被交感眼では虹彩,毛様体,脈絡膜に炎症が起こり,前房混濁,硝子体混濁,滲出性網膜剥離(図2)などが認められる.
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