文庫の窓から
青嚢完璧
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.894-895
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210479
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- 文献概要
全元医学を引き継いだ明医学はそのまま清国の医学へ継承され,清医学は質的に大きい変化はなかった.ただ,この期は張璐の「張氏医通」や呉謙の「医宗金鑑」等多くの医説や処方を集大成した叢書,全集ものが次々と刊行された.いつしか自らの経験に基づくものでなく,いたずらに古書を抜萃し,諸説を集めて書籍として刊行する傾向にあった.本書はこうした時期に著された眼科専門書である.掲出本は江戸時代の写本であるが,巻頭に
清・王協約菴鑑定盧紘澹巌訂正日本・加藤慶明子亮較註
とあり,王協約菴序文康熈12(1673)年,加藤慶明序文寛政7(1795)年となっている.本書は全7巻(付録部分を巻8とするものあり)4冊(冊数不定)よりなり,訓点を施した漢文の精写である.
本書の内容は巻1に五輪八廓所属論の他,病論を掲げ,巻2より巻7に160症の眼病治論を述べたものであるが,その概略を目録によって示すと以下の通りである.
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