Japanese
English
連載 眼の組織・病理アトラス・111
脈絡膜骨性分離腫
Choroidal osseous choristoma
猪俣 孟
1
Hajime Inomata
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.16-17
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410904703
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
脈絡膜骨性分離腫choroidal osseous choris—tomaまたは脈絡膜骨腫choroidal osteomaは10〜20歳台の若い女性の片眼または両眼に発症する。網膜下にオレンジ色で比較的境界鮮明な円板状の軽度に隆起した腫瘤が視神経乳頭の近くまたは乳頭を囲んで存在し,浅い網膜剥離を伴う(図1,2)。腫瘍の表面には房状の血管網がみられる。腫瘤は経過とともにわずかに大きくなることがあり,黄斑部に及べば視力低下を自覚する。螢光眼底検査では,腫瘤部は網膜色素上皮細胞の障害のために過螢光を示す。
ここに示す脈絡膜骨性分離腫の病理組織標本(図3〜5)は,WHO-International ReferenceCenter (IRC) for Histological Classification ofOcular Adnexal Tumours (Head:ZimmermanLE)から九州大学眼科へ送られてきたもので,Williams ATら(1978)およびGass JDMら(1978)によって報告されたものと同一の症例である。傍中心暗点を訴えた26歳女性で,32P取り込みが270%もあり,無色素性脈絡膜悪性黒色腫が疑われて,眼球が摘出された。
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.