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網膜,他
原田 敬志
1
1名大
pp.1180
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210196
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Clacet-Bernard A, Gaudric A, Touboul C, Coscas G : Occlusion de la veine centrale de la retine avec occlusion d'une artere cilio-retinienne, a propos de 7 cas. J Fr Ophtalmol 10 : 269-277, 1987
網膜中心静脈閉塞と網膜毛様動脈閉塞との合併した7例を報告した.男性が2人,女性が5名で,年齢は35歳から60歳(平均46歳)である.網膜中心静脈閉塞の病像は軽度ないし中程度で,乳頭から限局性の網膜浮腫をみる.経過は視神経萎縮に19カ月後陥った1例を除き良好で,視力の回復は著しい.視力は3〜4カ月で回復する.7例中4例で,網膜毛様動脈の出口に応じた乳頭の部位に低螢光がみられ,静注後期には過螢光が持続した.全身的には,特に塞栓の原因となるような疾患は認められなかった.3例に激しい偏頭痛発作がみられた.網膜静脈閉塞症は,螢光眼底所見上網膜毛細血管床の永続的な消失を示さなかった.網膜中心静脈閉塞と網膜毛様動脈閉塞の合併は,網膜静脈閉塞が第一義的原因を果たすと考えられているが,静脈閉塞症がいずれも軽症に経過し,網膜毛細血管床の閉塞が7例全例にみられなかったので,網膜静脈閉塞症が主因なのかどうか,について疑問が残ると述べている.
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