最新海外文献情報
網膜,他
原田 敬志
1
1名古屋大
pp.1062-1064
発行日 1988年9月15日
Published Date 1988/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210509
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Lewis HL et al: Perisilicone proliferation after vitrectomy for proliferative vitreo- retinopathy. Ophthalmology 95 : 583-591, 1988
PVRのある網膜剥離40例(13〜84歳)に内部タンポンあるいは手術器械としてヒーロンを用いた経験を述べた.内部タンポンとしては,下方に裂孔のある症例4例にヒーロン単独で,多発裂孔のある18例にガスと組み合わせて使用した(C3F812例, SF63例,空気3例).ヒーロンはさらに網膜のヒダを伸ばしたり,膜を離断したり,反転した裂孔の弁を動かしたり,内側の穿刺により下液を排出したりするのに有用であった.これは若年性網膜分離症の際に特に役立った.第1回の手術では26眼(A15眼,B4眼,C6眼,D1眼)に復位が得られた.復位しなかった14眼のうち空気+C3F8,により剥離が消失した症例も2,3みられた.ヒーロン単独による眼圧上昇はないが,C3F8と併用すると17眼に30 mmHg前後に眼圧が上った.ヒーロンは硝子体手術の後に内部タンポンとして有用であるが,下方の胞状網膜剥離に対しても,硝子体手術を行わず冷凍凝固を容易にする点で推奨しうる.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.