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特集 第40回日本臨床眼科学会講演集 (2)
学術展示
5-fluorouracilによる線維柱帯切除術の予後改善
Topical 5-fluorouracil as adjunct to trabeculectomy
中野 豊
1
,
沼賀 二郎
1
,
宮田 和典
1
,
白土 城照
1
Yutaka Nakano
1
,
Jiro Numaga
1
,
Kazunori Miyata
1
,
Shiroaki Shirato
1
1東京大学医学部眼科学教室
pp.500-501
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210025
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- Abstract 文献概要
緒言 線維柱帯切除術は,ワトソンとケアンズの報告以来,緑内障に対して現在最も広く行われている手術方法である.その術後成績についても過去多くの報告がなされており,そのなかには国内外を問わず良好な成績を示すものが比較的多い.しかし,稲葉1),白土2)らの報告によれば,生命表法を用いて本邦における線維柱帯切除術の術後成績を解析した場合,その結果は決して満足できるものではなく,原発開放隅角緑内障に限っても初回手術の成功率でさえ約50%前後であり,複数回以上の手術例では更に極端に低下することが明らかになっている.しかも、無水晶体性緑内障、出血緑内障等のいわゆる難治性緑内障に対しては,線維柱帯切除術はもとより他の手術方法も決して有効ではないことが知られている.
今回我々は手術後の濾過胞の瘢痕形成防止の目的で、抗癌剤である5-FU (5-fluorouracil)を線維柱帯切除術に併用し,その術後成績を生命表法にて解析し,興味ある結果を得た.
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