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特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (2)
学術展示
Soft contact lens装用による角膜潰瘍の2例
Tow cases of corneal ulcer associated with soft contact lens
小島 道夫
1
,
小川 健次
Michio Kojima
1
,
Kenji Ogawa
1県立ガンセンター新潟病院
pp.250-251
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209646
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最近soft contact lens (以下SCL)装用患者で日和見感染による角膜潰瘍が報告されている.今回白内障嚢内摘出術後,抗生剤やステロイド点眼を受けた眼で,stfaphylococcus epidermidisによる辺縁性角膜潰瘍でパンヌス形成と角膜菲簿化が特長的であった1例とSerratia marcescensによる散在性小円形斑状の浅い角膜潰瘍を生じた1例を経験したので報告する.
症例 1:SS,60歳の主婦.5年前より掌蹠膿疱症あり.1年4カ月前右眼の白内障嚢内摘出術を受け,術後燐酸ベタメタゾン・ナトリウム点眼とスルベニシリン・ナトリウム点眼を受けた.1年1カ月前から右眼にSCL装用.1985年1月27日初診時右角膜輪部の8時から2時にわたる辺縁性角膜潰瘍を認めた.この角膜潰瘍は図1に見るように蚕食性角膜潰瘍に似て,輸部の浸潤がunderminedの状態を呈しており,パンヌスは認められず,視力は右=0.02(0.5×+11.0D)だった(図1).エリスロマイシン点眼,コリスチン点眼にもかかわらず,角膜浸潤は改善せぬばかりか2週間後には図2に見るように求心性口舌状に拡大し,パンヌスは認められず,視力は右=0.01(0.04×+11.0D)と悪化したので入院させた(図2).
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