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開瞼失行の13症例を,前報の5症例に追加して報告した。世界的にも,これまでこれだけ多数例を扱った報告はなく,本症のいくつかの特色を統計的に示すことができた。発症は28歳から80歳にわたっていたが,一般に高齢者に多い。男女差はなく,6例(33.3%)が瞬目過多の病期を経て発症した。眼瞼痙攣から移行したものが2例(11.1%)あった。また,パーキンソン症状を合併したものが2例あり,本症の筋アキネジアとの関連を示唆した。9例に行ったCTで前頭葉萎縮を認めたものは2例であったが,びまん性萎縮を含めると7/9例(77.8%)に異常を認めた。記銘力低下2例も本症の前頭葉との関連を示唆していた。治療薬として用いたマイナートランキライザー(各種),L-DOPA (抗パーキンソン剤),Ca-hopantenatc (HOPA)の有効な症例があったが,薬効の数量内な判定は不可能であった。眼瞼下唾手術を行った2例中2例とも患者の愁訴が軽快した。ただし,開瞼開始困難が軽快することはなかった。
Thirteen cases of apraxia of lid opening are reported. The characteristic features of this diseases were analyzed based on a total of 18 cases, adding 5 earlier cases reported by our group. Patients were generally advanced in age. Both sexes were equally affected. In 10 cases (56%), apraxia be-came manifest as the initial eye lesion, while the apraxia was preceded by a phase of tachyblinking in 6 cases (33%).
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