文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(14)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.246-247
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208833
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23.眼科大秘伝保濟新流
わが国江戸時代の眼科諸流派の秘伝書には種々の流派名が付けられているが,いずれも原は中国古医方眼科を祖述したものが多く,その内容の根本的差異は少ない。ただ,より日本人に適合する医療に近づけるために少しでも他より優れた治療方法なり,薬物処方などを創意工夫してきたと思われる。そこに一流一派が興り諸流派が生れたものと考えられる。
眼科古写本の中には諸流派の秘伝書を抜萃して一つの秘伝書となしているものもある。「眼病門眼目一巻」という眼科古写本には鷹取氏の眼目秘伝,ホスミー流秘伝,真嶋一流の秘伝(寛永元年)あるいは且來村常念寺伝方等を集めて一書としている。しかし,こうした類の古写本には原本を後世になって書写相伝したものが多い。
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