文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(18)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.868-869
発行日 1983年6月15日
Published Date 1983/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208955
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27.治眼通言
馬嶋流眼科の分派には「五流」「五家」という言葉が使われた(野田昌編著,「馬嶋眼科と明眼院」)といわれているように,その分派による幾つかの系統があった。今日伝えられている,いわゆる馬嶋(真嶋,麻嶋)流眼科の秘伝書といわれる古写本の中には「此之書者真寺坊三河国鳳来寺*薬師如来十七日参籠満暁医王善逝尊夢想直伝之書也」というその書の由来をしるす数行がまま見られ,この霊告鳳来寺祈願伝受による法は馬嶋明眼院に対抗する馬嶋大智坊(明眼院の塔頭)が主唱してきたこととされているが秘伝書の本源については少なからず興味をそそられるところである。
本書の著者は赤松定著となっているが料紙,文字の上からは時代的には新しい写本と思われる。本書はおよそ30葉,全1冊(19×13.7),本文は片仮名交り和文で書かれている。
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