文庫の窓から
眼科諸流派の秘伝書(27)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.342-343
発行日 1984年3月15日
Published Date 1984/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209130
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36.眼科法相秘伝書
古来眼科諸流派の治療法にはそのことごとくが「銀海精微」や「眼科全書」に論ぜられる五輪八廓説に基づく方法が用いられていたが,江戸時代後半に至り欧米医学,殊にオランダ医学の導入により杉田立卿翻訳の「眼科新書」,本庄普一著「眼科錦嚢」(正続)等が行われ,中国漢方眼科の伝統を守ってきた馬嶋流眼科にも漢蘭折衷眼科(「眼科集要折衷大全」馬嶋円如著)が採用されるようになった。こうした限科漢蘭医説の過度期ともいえる時期に眼科要言として伝えられたものが「眼科法相秘伝書」である。
『愛に邨上家秘伝雀目之方論並秘方アリ,論ヲ素問二随ヒ,方ヲ傷寒論ニモトメテ神ノコトシ,秘中ノロ伝也』とは本書の中に記されている一端であるが,本書は邨上家の秘伝書の一つと思われる。その末尾に,
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