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(1)最近3年間に乳頭上網膜血管ループ形成症10例12眼を経験した。
(2)動脈性ループが9例11眼あり,静脈性ループは1例1眼のみであった。年齢は20歳から60歳までに見られた。
(3)2例2眼にループ形成以外に動脈間吻合の合併を認め,ループ形成の成因として先天性の血管異常が示唆された。
(4)症例の5眼は無自覚,無症状であったが,7眼は乳頭周囲の網膜出血,あるいは硝子体出血を生じ,飛蚊症または視力低下を訴えた。
(5)そのうち3例4眼は再発性で,数年にわたって硝子体出血をくり返した症例があった。本症が若年中年の硝子体出血の原因となることに注意する必要がある。
(6)3例3眼は大量の硝子体出血による視力低下をきたしたので,うち2例2眼にループの血管壁にそい,直接光凝固を試みた。
(7)光凝固を行った2例のうち1例は,網膜動脈分枝閉塞症を発生し,傍中心暗点を残したが,血管は細くなり,ループ血管の拡張,蛇行が減じた。2例とも,その後1年4カ月〜2年4ヵ月間出血の再発はなく,本療法が硝子体出血の再発予防の一手段となりうると思われた。
We observed 10 cases (12 eyes) with retinal vascular loops on the optic disc. The vascular loop was arterial in 11 eyes and venous in one. The ages of the patients ranged from 20 to 60 years. Besides vascular loops, arterioarterial anastomosis was present as an associated feature in 2 eyes. This feature suggested that the loop formation may be congenital in origin. Out of the 12 eyes, 5 were free of complaints, while floaters or visual disturb-ance were noted in 7 eyes due to vitreous or reti-nal hemorrhages around the optic disc.
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