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網膜色素線条症23例46眼を対象に,検眼鏡的観察,三面鏡を用いた細隙灯顕微鏡観察,および螢光眼底造影を行い,そのうち視力障害を伴う黄斑部異常について検討した。
視力障害の白覚は40歳代に最も多く始まり,受診年代は40歳代および50歳代が最も多く,15例,65%であった。
黄斑部異常は男子は網膜色素線条20眼中14眼,女子は26眼中6眼にみられ,両眼性は男子6例,女子2例であった。黄斑部異常は,検眼鏡的に3型に分類された,第1の型は黄斑部の出血,第2型は白色の結合織変化である増殖性線維塊,第3型は色素沈着があり,脈絡膜が透見される黄斑部萎縮の3型であり,これを黄斑部合併症とした。
黄斑部合併症のうち,第1の型の出血は8眼にみられ,螢光眼底造影により,全眼に脈絡膜を由来とする網膜下新生血管網が証明され,この出血は,7カ月から10カ月後には全例増殖性線維塊に変化した。第2型の増殖性線維塊は,初診時既に完成した形では4眼にあり,さらに,経過観察中黄斑部出血から発展したものが8眼加わり,計12眼にみられた。螢光眼底造影では,黄斑部に新生血管が証明されるとともにfibrovascular membraneが認められた。第3型の萎縮は8眼にあり,増殖性線維塊がなく,螢光眼底造影では,新生血管網は造影されないが,黄斑部萎縮にもとづく脈絡膜血管の造影が顕著であった。
We evaluated 23 cases (46 eyes) with angioid streaks with particular attention to visual impair-ment due to macular complications which were present in 20 eyes. The macular affection was bilateral in 8 cases (16 eyes) and unilateral in 4. Out of the 12 cases with macular involvement, 8 were males and 4 were females.
We could distinguish three types in the clinical manifestation of macular complication. It appeared as spontaneous submacular hemorrhage (8 eyes), as fibrous scarring (4 eyes) and as macular atrophy with pigmentary changes (8 eyes).
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