抄録
第3回日本眼科手術学会抄録集(2)
酒井 成身
1
,
小野 繁
1
,
太根 節直
2
,
林 龍男
3
,
上石 弘
4
1聖マリアンナ医大形成外科
2聖マリアンナ医大眼科
3聖マリアンナ医大脳外科
4北里大形成外科
pp.1663-1671
発行日 1980年12月15日
Published Date 1980/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208236
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8.Orbital Hypertelorismに対するcraniofacialsurgeryによる眼窩周囲の骨切り術の経験
重度の顔面奇形を示すorbital hypertelorism (眼窩隔離症)に対して,今までは眼窩壁には何ら手を加えることができず,軟部組織の移動のみでは満足な結果が得られなかったが,近年頭蓋顔面奇形に対する,craniofacialsurgeryの発達はめざましく,Tessier, Convcrseらによる頭蓋内アプローチにより眼窩周囲や,眼窩そのものに対して骨切り術を施し,眼窩を,眼窩内容とともに,上下左右に移動することが可能になって来た。我々も眼窩隔離症に対し眼窩周囲の骨切りを行い,左右両眼窩間余剰組織を切除し,両眼窩を内側へ移動することにより,顔面の奇型を修正することのできた症例の手術々式の概要を述べる。これらの手術には形成外科医のみならず,眼科,脳外科,麻酔科,耳鼻科など各科の協力が必要となって来る。また眼科的には,眼位の違い,両眼視における眼球運動と複視,視軸,視神経への影響が問題となる。これらを術前術後のCT,Hess法による複像検査などにより分析した。
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