抄録
第4回日本眼科手術学会抄録集(2)
上條 講堂
1
1昭和大学
pp.1527-1534
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208776
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12.開頭法による眼窩腫瘍摘出術の経験
開頭法による眼窩へのアプローチとして,最初1922年Dandyが報告し,以来trans-frontal approachが主に脳神経外科によってなされてきたが,本邦では眼科領域において1971年戸塚らが初めてfront-zygornatic ap—oprachを報告し,その後,数種の報告がみられる。その後,顕微鏡手術の発達にともない,1974年府川,1979年木村らによりmicrosurgical techniqueの応用が報告されている。我々は開頭法による眼窩腫瘍摘出術として,眼窩腫瘍2例(海綿状血管腫1例,視神経鞘髄膜腫1例),眼窩一頭蓋内腫瘍2例(癌腫例,髄膜腫1例),加えて他医でtrans-frontal approachで摘出後,眼窩上壁欠損に対する骨形成術を要したもの1例を含め計5例を経験した。3例はtrans-frontal approach, 2例はfront-temporal approachで行った。 microsurgica 1tech—niqueは,形成術のみを施行した1例を除き4例に施行。4例に骨形成術を施行した。結果は全例につき広い視野がえられ,髄膜腫例では,眼窩,上顎洞,前頭蓋底にわたる広範な腫瘍を,front-temp oral approachによりmicrosurgical techniqueを用いて全摘出しえた。骨形成術も比較的容易であり.
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