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緒 言
動的視野は,種々の要素,たとえば,背面照度と視標光の強さの比率,視標の色,大きさ,その運動速度などの変数として求められる。そのうち,光学的,物理的な要素は,Goldmann型視野計の出現1,2)などによつて,かなり厳密な条件設定が可能となつた。Goldmannの卓見は,従来の視野計に順応装置がなかつたことを指摘し,その導入と,背面照度と視標のコントラストの定常性と可変性,そして屈折異常などへの配慮を行つた点にある3)。彼の視野計の厳密な運用について,たとえばSchmidtら4)が,その後,いくつかの改良点を指摘しているが,いかに精密な条件設定をしようとも,検者,被検者の性格,注意力など,人的要素からの誤差混入も無視しえないのではないか,という疑問が起こつてくる。ここではごく一般的な臨床レベルでセットされた1台のGold-mann型視野計により,同一検者が,同一人の両眼から周辺視野を繰返し測定して,それを面積として評価し,その値を比較することにより,動的周辺視野測定における誤差の問題に取り組まんとするものである。
Kinetic peripheral visual fields (V-4, Goldmann perimeter) of 34 apparently normal subjects were measured 10 times for each at one month interval and were analyzed for the standard error of the area of the field. The percent standard deviations (percent of standard deviation/indivisual field) of total 10 measurements were concentrated near the crossing of 10% lines in the co-ordinates of the right and the left eye. The average of the right eyes was 10.5% (square root:3.24%) and that of the left eyes 10. 2% (square root : 3. 19%).
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