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緒 言
病的近視の後極部眼底病変は,進行性の変性萎縮性変化が主体であると考えられているが,その病態はさまざまである。従つて視機能障害もその病態により異なるものと思われる。検眼鏡的にみられる後極部眼底病変は,境界が不鮮明なびまん性病変と,境界が鮮明な斑状病変に分けられるが,両者が同一眼にみられることも稀ではない。しかし,これらの病変の病態及び視機能障害の程度との関連性については明確でなく,またお互いに移行するか否かについても明らかでないのが現状である。従つて,以上の点を解明することは,病的近視にみられる後極部眼底病変の進行過程ひいては,予後を推定する上で重要であると思われる。
従来より病的近視の後極部眼底病変について検眼鏡所見を中心に種々の報告がある1〜6)。Novotny及びAlvis7)により螢光眼底検査法が開発されて以来,これを用いて各種の網膜疾患に対する研究が行なわれ,強度近視における網脈絡膜病変についてもKlein及びCurtin8), Levy9),袖野10)などにより興味ある結果が報告されている。一方,後極部眼底病変と眼軸長との関連性については,Curtin及びKarlin11),著者12)らの報告がみられるが,眼底病変をびまん性病変と斑状病変に分けての検討はなされていない。しかも,これら二つの病変について螢光眼底造影所見と眼軸長その他視機能障害などより総合的に検討した報告もみられない。
I examined 124 eyes with high myopia in 89 subjects by means of ophthalmoscopy and fluo-rescein angiography with a view to elucidate the patholgenesis of myopic choriorctinal atrophy in the posterior fundus. The subjects ranged from 8 to 72 years of age and the severity of myopia was between -6.25 and -34.0 diopters. Visual acuity, refrac-tion, campimetry and axial length were also determined in the majority of cases. Out of the 124 eyes, 50 were examined again after the lapse of1 to 5 years.
1) The myopic posterior fundus lesions were classified into diffuse and patchy type based upon ophthalmoscopic findings.
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