特集 第14回日本臨床眼科学会講演集 (1)
III.視野の他覚的認定に関する基礎的研究
筒井 純
1
,
吉岡 初穂
1
,
渡辺 冴子
1
,
村上 伸子
1
1岡山労災病院眼科
pp.145-148
発行日 1961年2月15日
Published Date 1961/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207163
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緒言
視力の他覚的な測定がある程度可能になると視力の詐称が不可能となり,次に出現したのは視野の詐称である。我々が実際に経験した例であるが,東大式視野計で視野を測定すると,常にどの方向に於いても,中央円盤のやや内方,30°〜35°のあたりで視標が見えなくなるという患者が数例続出した。
この程度の視野狭窄であるとどうにか補償の範囲に入り,殊に両眼であれば,9級というかなり高額の補償を受けることになつてしまう。何等かの方法でこれを見破らなければならない必要を感じた。視野を他覚的に測定する方法は現在のところ私達の調べた範囲では報告に接していない。たまたま我々は視性眼振を応用して他覚的視力を測定する研究を行つている途上,この方法を利用して視野を他覚的に認定することを考え,ここに基礎的な実験的研究を臨床的応用を試みた。
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