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特集 故佐藤勉教授追悼号
眼遺伝・失明
人工眼球の可能性について
On the possibility of artificial functional eye
中島 章
1
,
光岡 法之
2
Akira Nakajima
1
,
Noriyuki Mitsuoka
2
1順天堂大学眼科
2国立東高光明寮
1Dept. of Ophth, Juntendo Univ. School of Med.
2Tokyo Adult Blinds Rehabilitation centre.
pp.1808-1811
発行日 1960年11月15日
Published Date 1960/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207091
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1.序
現在の医学の水準では,失明者が出るのを防ぐ事が出来ない場合が未だかなりある。この様な不幸な人々の為に更生の機関として盲学校や光明寮が全国にあつて,失明者の,社会生活への適応の教育を行つて居る。恢復の見込のないとわかつた患者の貴重な時間を,望みない治療の為に空費せず,この様な場合は出来る丈早く更生機関に紹介する事が,医師として患者になすべき事の一つである(中島1959)。しかし,一方では,眼の機能に代り得るものをこの様な不幸な人々の為に考えて見る事も失明者に対して我々が出来るかもしれない事の一つであろう。工業技術の発達によって,身体の機能の一部を代行させる機械はいくつか実用になつた。耳鼻科に於ける補聴器から,義肢,人工心肺,或は人工腎臓に至るまで,不完全ながらそれぞれの機能を代用して用いられている。
眼の機能は,外界からの光によつて伝達される情報を分析して中枢に伝える事である。今日,光を電気或はそれを通じて他の形のエネルギーに換える技術は長足の進歩を遂げた。
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