Japanese
English
臨床実験
網膜中心動脈血圧の測定誤差及び正常値について
Errors in measuring the blood pressure of arteria centralis retinae and its normal value
下山 順司
1,2
Zunji Shimoyama
1,2
1日本鋼管病院
2慶大眼科
1Nippn Kokan Hospital
pp.1221-1225
発行日 1960年7月15日
Published Date 1960/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207008
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
網膜中心動脈血圧(以下N.A.D.)に関する業績は洋の東西を問わず既に多くの報告がみられる。特にBailliartのOphthalmodynamometerの発表以来特にその進歩は著しいものがある。本邦に於ても植村・菅沼,長谷部の報告以来かなりの成績が報告されており,遂には植村教授の電気眼底血圧計の出現に至つた。その間測定装置もBailliart以後本邦に於ては慶大式,新大式,新慶大式等が発表されて改良されている。しかし現在一般臨床医の間では,その使用法の比較的容易な点でBailliartの装置が最も多く使用されているようである。
このBailliartの装置による測定に於ては従来から各報告者により指摘されている如く,測定時に生ずる誤差がみられるのであり,これと共に各学者により報告された健康者の値もかなり広範囲に及んでおり,これは同一装置による測定に於ても前述の誤差も恐らく関係しているものと思われる。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.