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I.緒言
眼底血圧をはかるには,いろいろの方法があるが,どれも眼内圧を非常に間接的な方法ではかる様になっており,大抵は最初の眼圧と眼球に加えた力又は圧力から前以て作っておいた較正曲線をたどって,眼内圧を知るしくみとなっている。この方法は,たとえて言えば,ゴムマリを外から押したときの内圧は,最初の内圧と外から押した力がわかれば知ることが出来るというやり方である。しかしたとえ最初の内圧が同じで,外から同じ力で押したとしても壁のゴムの厚さや固さがちがう場合,内圧の上り具合はちがってしまうし,又壁の性質が同じでも大きなゴムマリと小さなゴムマリでは圧力の上り具合はちがって来る。これを眼球におき換えれば,眼球壁の性質(Rigidit Co—efficientで表わす)と,眼球の内容積がちがえば,眼内圧の上昇の仕方がちがってしまうということになる。だから眼球壁の性質や内容積が正常とかけ離れた眼では較正曲線を使うことは出来ない。勿論このことは古くから言われていて別に目新らしいことではない1)〜3)。しかし眼底血圧をはかる場合にはこれ以外にももっと複雑な問題がある。その一つは,眼球を押した場合,眼球壁が時間と共にすこしづつひきのばされて行くということから来た問題で正確に言えば,「眼球壁は粘弾性体であるため,加圧時の眼内圧は時間の函数となる」ための誤差である4)〜6)。
Intra-ocular pressure of the enucleated hu-man, monkey or rabbit eyes during ophthalmo-dynamometry was measured by the pres-sure transducer through the manometric sys-tem. The rapid compression of the eyeball with the ophthalmodynamometer made the intra ocular pressure higher than the intra-ocular pressure under slower compression. Under the constant strain, the intra-ocular pressure decayed with the time.
These phenomena were the results of the anelastic properties of the wall of the eyeball.
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