綜説
「新しいトラコーマ診断基準」の実際的使用について
桐沢 長徳
1
1東北大学
pp.933-937
発行日 1960年5月15日
Published Date 1960/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206960
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昨年6月の東京眼科講習会に於て筆者は「新らしいトラコーマ診断基準について」と題して,新しく出版された「図説トラコーマ診断基準」(金原書店発行)を中心として本問題の解説を行つた。その後,本講習の内容を記事として本誌に載せる約束であつたが,その後の上記書に対する反響を見た上での方がよかろうと考えて今日まで延ばしていた。今回前記の約束を果す意味から,その後の諸氏の意見も加味して本文を綴る次第である。
定型的なトラコーマが文明国はもとより,日本の大都市から姿を消してからも約10年の年月を経ている。それは一に衛生環境の改良と化学療法の進歩に基くもので,恰も性病,結核,癩のそれと軌を一にしている。
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