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I.緒言
1844年Wilhelm Karl von Haidingerによつてはじめて記述された"ハイジンゲルブラツシユ現象"は,偏光が目に入る時に生ずる内視現象で,之は偏光器をとおして青空にむかつて見る時,丁度ブラツシユの様な形をした2つの暗い部分と,それと交叉する青味をおびた明るい2つの部分とが見えるのである。この現象は,網膜黄斑部におけるヘンレー氏繊維層の偏光力によつておこる重要な内視現象のひとつである。その臨床的応用については,1938年以来2,3の実験が行われて来たが2),それ等は単に偏光板とコバルトブリユーの色ガラスを眼前において空又は人工光源を見るだけであるから,正常人でもブラツシユを見ることがむつかしく従つて臨床価値が少なかつた。その後1950年Max Goldschmidt2)が,ひとつの検査装置を作つた。Cüpperは,これを改良して第Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ図の如きKoordinatorを完成した。
本邦に於いては,最近吉田氏4)が中心性網膜炎における内視現象の変化について報告されている。その論文の中で,ハイジンゲルブラッシユ現象についてふれておられるが,その検査方法については記載がなく,おそらくは偏光板を用いて青空を見させたものであろうと推定される。少なくとも私が之から述べようとするCüpperの装置は,まだ日本では報告されていないようである。
The author explained the "Koordinator" of Cupper and it's use.
Using this instrument, the progress of the rariation of Haidinger's brushes phenomenon in 15 cases of chorioretinitis centralis serosa were examined. The results are as follows ; In initial and the dominat stage of this disease, this phenomenon is not recognized.
The recognitioh of this phenomenon is independent of visual acuity and the existence of central scotom.
Being applicated in 60 eyes of squint amblyopia, the instrument was found most useful to examine exentric stuation, the remarkable merite of which consits in the simplicity and the exactitude.
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