私の経験
流行性角結膜炎の院内感染に対する一防止策
菊池 富三郎
pp.1283-1284
発行日 1959年9月15日
Published Date 1959/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206749
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はしがき
流行性角結膜炎(以下流角結と略)の院内感染は,現在臨床眼科医を悩ませている問題の一つであり,このことに関して患者から抗議を申し込まれた苦い経験の持主も甚だ多いものと思われる。本問題はひいては眼科医の信用の問題でもあり,一日も早い防止策の発見が望まれるのであるが,流角結の病原体がヴイールスである関係上,試験管内実験でなく,単に臨床的に消毒の効果を云々するため,漠然たる事を免れ得ず,然も,適当な防止策を見ないままに今日に到つている。
著者も過去数年間,種々な対策を立案し実施して来たが,失敗の連続でしかなかつたが,最近,漸くその防止に効果を見るに到つたので,此処に報告し,諸氏の御批判を受けたいと思う。
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