談話室
America's First National Program in Eye Research by Pearce Baily
井上 正澄
pp.826-827
発行日 1957年5月15日
Published Date 1957/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206059
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失明予防の研究助成についてDr.BaileyがAm.J.Ophth.1955 40:121-125で述べたことを要約すれば,第二次大戦中及び戦後の米国民の所得増加によつて健康維持のための研究の重要性を認識し,公私研究機関に強力な経済支持が必要であることを知るようになつた。1940年度の医学研究費は4千5百万弗であつたが1953年度には300%増加して1億7千3百万弗となつた。米国厚生省内の国民健康研究所National Institue of Hea-lthを中心として研究支持が行われ,予算としては1923年度40万弗,逐年増額され,1953年度は約150倍の7千百万弗となつた。
予防医学や抗生物質の発達に伴い急性伝染病の恐怖は減少し,世人の関心は慢性殺人病とも云う可き癌と心疾患,そして廃人病として失明病,精神病,神経病,関節病などに向けられるようになつた。米国癌研型所は王937年,心疾患研究所は1948年創立され,関節病と新陳代謝病の研究所,及び失明病と神経病の研究所は1950年創立された。後者は朝鮮事変発生2カ月後創立され,多数の眼科医や神経科医の協力と政府の予算とをもつて逐年発展してきた。
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