ロンドン便り
National Institute for Medical Researchの理念と業績
佐藤 昌康
pp.240-242
発行日 1953年4月15日
Published Date 1953/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905713
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私は1952年9月からロンドンのUniversity CollegeのPhysiology Departmentで神經生理の研究をさせて貰つているのであるが,Mill HillのNational Institute for Medical Research(N. I. M. R. と略する)に大體週に一回,協同研究者のJohn Grayと仕事しに行くので,少しこの研究所のことを紹介してみたいと思う。幸にJohn Grayより次の論文を借用することを得たので,以下に,此の論文を辿つて,N. I. M. R. の理念と發展のあとを追つてみることにする。論文はSir Charles Harington,F. R. S:The work of the N. I. M. R. Proc. Roy. Soc. B. 136(1949),333-348で此れはRoyal Societyにおいて1949年3月10日になされたHaringtonの所長就任演説である。
1911年のNational Insurance Actに,英國における科學研究に非常に重大な一章が含まれている。その一章というのは,「被保険者(insured person)一人あたり1ペニー(約4圓)の金の合計を醫學研究のために公庫(public funds)から支出すべきこと」。
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