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X線映像増強管に就いて
単に眼窩と云わず,身体深部に竄入した霰弾等の比較的小さい異物は摘出が頗る困難な場合が多く,弾道を経てさぐりつつ盲目的手術を行う場合は勿論,X線透視の下に摘出を試みても,甚だしく困難を極める場合が多い。X線透視に当つて,如何に螢光板を改良しても,又可及的にX線を増強して其映豫の明るさを増しても,夫々には限度がある。又,観察者は少くとも,15分の暗順応を必要とし,桿体視しつつ観察する訳であるが,手術部の細い所見の識別はむづかしい。又,X線透視室に手術設備を用意する事の困難性や,手術が長時間に亘る場合のX線障碍を併せ考える時は,簡易には実行し難い。此等の困難性は既に,後述の第4例に就て,経験した所である。此処に最近登場した,X線映像増強管(X-rayimage intensifier tube)がある。之はX線螢光板の輝度を増大する為に考察せられた装置で,最近漸く実験的段階を脱し臨床的応用に移りつゝある。此装置(以下I.I.T.と略記)は,現在Philips及Westinghans,東芝の製品があるが,今之に就て,少しく説明を加える事とする。(第1図)
第1図の如き真空管中の一端にアルミニウムの溥い支持膜Aがあり,此上に螢光板Bと,光陰極となる光電効果を有する物質の層Cがある。
The authors report a case of success in an extraction of a small shot, which remained in the orbital apex for 14 years, by the X-ray image intensifier tube ; this apparatus made the authors possible to operate under the fluoroscope X-ray in a light operating room.
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