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連載 眼科図譜・30
円錐角膜のデスメ氏膜自然破裂
Keratokonus (Spontanruptur der Descemet Membran)
佐藤 勉
1
1順天堂大学
pp.401-402
発行日 1957年3月15日
Published Date 1957/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205972
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解説
第1図,第2図 高度近視性乱視(矯正親力0.3)といわれて居た20歳男子の左眼が1954年9月8日の夜,入浴後突然視力障碍を来たし角膜が混濁した。外力が加わつた覚えは少しも無い。翌日某医を訪れて視力が0.03であつたという。5日目に来院した時には視力眼前指数,写真はその時のもの。円錐角膜のデスメ氏膜破裂によつて起きた一過性の角膜浮腫で,極めて高度な症例である。細隙灯で観察すると混濁した部分は甚しく厚く成なている。第2図におぼろに認められる鍵の手の白線(鼻側下方に向つて直角をはさむほぼ垂直および水平の線)がデスメ氏膜破裂創である。普通は上方または下方に向つた鎌状でもつと小さいのが多い。縮瞳剤,赤外線照射,圧迫包帯,初め塩酸エチルモルヒネ,後コーチゾンの点眼の局所療法と,カルシウムならびにビタミンAの全身投与を行つた。
第3図 発病44日後。この頃の正面写真にはデスメ氏膜破裂の線が顕著に現われていた。視力は,発病17日目にすでに0.1(n.c)に恢復。
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