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緒言
白内障の手術時や外傷等によつて起こる,大量の硝子体脱出後の重篤な合併症は,われわれが時時経験するところである。これによつて硝子体に大きな操作を加える手術法は,危険極まりないものと思うのは当然である。従つて,今日まで,硝子体手術はきわめて限局された方法でしかなかつた。たとえば,脳脊髄液その他の代用液を用いての硝子体の一部置換法である。しかし,出血外傷等のために硝子体内に変化を生じ,広範囲に混濁を生じた場合でも,硝子体の下にある網脈絡膜に障害の比較的少ない場合もある。このような症例においては,硝子体さえ除去できれば,角膜,水晶体を通る光線は,健全な網膜組織に投影され,視力は改善されるはずである。従来から硝子体の混濁を,眼球に大きな損傷を起こさせないで除去する手術法は,多くの術者により地味な苦労の多い道を辿りながら試みられてきた。しかし,1960年にKasnerが,外傷のためにひどい損傷を受けた硝子体組織を,ほとんど全部切り取つて,有効な視力を回復させることに成功し,次いで1963年,さらに1968年,一次性硝子体アミロイドージスに罹患した症例において,硝子体のほとんど全部を切除してかなりの視力をえた症例を報告するまでは,このように積極的に大量の硝子体を切除する方法は,成功をみることはなかつた。
New equipment has been developed for vit-reous surgery. The slit lamp attached to the operating microscope has illumination three times as bright as that of Zeiss, and in combination with a contact lens (Goldmann), gives a fundus appearance comparable in clarity to that of biomicroscopy. In order to obtain a fundus picture of still higher manification a plano-convex lens of 2×manification was glued onto the contact lens. A special device was developed to allow horizontal and circular movement of the oper-ating microscope by foot. The operating chair can be moved around the patient's head without rails.
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