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緒言
今から約20年前,Henchらが,リウマチ様関節炎の炎症症状にコーチゾンをはじめて用い,著明な効果を得て以来,副腎皮質ホルモン剤が臨床的に使用されるようになつた。わが国においても約15年前よりその使用が普及し,現在は多くの薬剤のうちでも最も重要なものの1つにかぞえられているが,その反面,副腎皮質ホルモンによる副作用が増加してきており,大きな問題となつている。このうち,眼科領域においては,ステロイド白内障,ステロイド緑内障,ステロイド離脱時のReboundなどが問題となつている。なかでもステロイド白内障は,その診断基準や年齢関与,病状進行性の有無,手術的治療法の適否など,いまだ未解決の点が多く残されている。このような背景のもとに,最近われおれは,副腎皮質ホルモンを使用している109例と,副腎皮質ホルモンを使用したことのない対照の71例の小児を対象として眼科的検査を行ない,ステロイド白内障の発生について若干の知見を得たので報告する。
A total of 109 children who had been on long-term corticosteroid therapy were examined for posterior subcapsular cataract (PSC). They comprised 81 patients with nephrotic syndrome, 7 with chronic nephritis, 6 with bronchial as-thma, 5 with purpura nephritis, 4 with rheu-matoid arthritis, 4 with systemic lupus erythe-matosus, and 2 with congenital adrenal hyper-plasia.
The results were as follows.
1. PSC was detected in 24 cases (22.0%). The general diagnosis was nephrotic syndrome in 18, chronic nephritis in 2, purpura nephritis in 1, rheumatoid arthritis in 2, systemic lupus erythematosus in 1.
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