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緒言
網膜中心静脈閉塞症は,日常われわれ臨床医がしばしば遭遇する疾患であり,これに関する種々な研究報告とともに,治療上の諸問題についての報告も枚挙にいとまのない所である。しかし,本症のいわゆる切迫期例について,まとまつた経過観察と予後について述べているものは少ない1)。周知のごとく,網膜静脈閉塞症において最も重要な中心静脈閉塞の場合,一般には,動脈閉塞のように突如として起こることはまれであり,むしろある期間を経て徐々に発生してくるものと考えられるが,実際には,われわれのところを訪れる時点では閉塞が進展して,不完全ないしは完全閉塞に至つている場合が多いものである。
著者は最近のおおよそ4年間に,切迫期と診断した5症例5眼を経験し,これらに対して,線維素溶解酵素剤Urokinaseと抗凝固剤Warfarinを主として用い,全経過を観察することができたのでその結果を報告する。
Five cases of impending occlusion of central retinal vein are reported. These cases were treated by systemic Urokinase and Warfarin were followed up for longer periods with fluo-rescein angiography at regular intervals.
In one patient, a 35-year-old male, venous occlusion was apparently associated with con-genital anomaly of major retinal vessels. The prognosis of this case was grave.
The other 4 cases revealed various pathologi-cal conditions which apparently served as bases for retinal venous occlusion.
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