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緒言
眼窩腫瘍の診療において,病変の位置,広がり,性質を知ることは的確な治療のために必要である。軟部組織の変化であるため,単純X線撮影では十分な情報のえられない場合も多い。このためいろいろの特殊造影法(眼窩静脈撮影,Pneu—moorbitotomography,頸動脈血管撮影など)が考案されているが,血管確保のできにくい場合もあり,また造影剤に対する特異体質者も存在するため,必ずしも,すべての症例に可能な方法ではなかつた。
超音波が眼科領域に用いられてから,17年になるが1),電子工学の目ざましい発展に伴つて,その性能も向上し,重要な補助的診断法となりつつあるが,超音波像の判読に関しては,まだ十分に確立していない。これは,使用する診断装置が,それぞれ研究者によつて異なり,表示のための処理の方法も異なつているためである。現在は,いかなる装置で,どのように表示したら,最も有用な情報が得られるかを,研究者が互に,探索している時代といえる。
Twenty-nine cases of orbital tumor were exa-mined with B-scan ultrasound using the Ophthal-moechograph (Model ZD-251, General Corpora-tion, Tokyo). The findings were compared with those obtained by other methods including : orbital venography, pneumo-orbitotomography, carotid angiography and orbital scintigraphy with 67Ga-citrate. Ultrasonic examination proved to be the safest and the most comfortable dia-gnostic procedure. Ultrasonography led to the detection of intraorbital lesion in all cases except for 3 cases of dysthyroid exophthalmos and one case of carotid cavernous fistula.
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