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緒言
近視,特にその屈折状態および原因に関しては古くより論ぜられ,また討議されてきた。そして最近,著しい近視の増加傾向とともに種々の形で近視問題がクローズアツプされてきつつある。また戦後の抗生物質の発達,環境衛生の向上,衛生思想の普及などにより眼科領域における学校病の主体はトラコーマを主とする感染性疾患よりも視機能障害の発見,予防の方向へと向かう傾向にあることは当然である。
児童生徒における屈折異常の出現は環境要因に支配されるところが少なくないと考えられるが,市部・郡部などの環境条件を異にする地域についてその出現頻度を比較することはその発生機作を解明するうえからも,また児童生徒の視力管理上からもきわめて有意義なものと考えられる。この意味において,今回宮城県下農村部,漁村部および都市部の小中学校児童生徒を対象として屈折状態の調査を行なつたのでその結果を報告する。
Refractive examination was performed on 14504 eyes of the pupil of primary and secon-dary school in Miyagi-prefecture.
The incidence of myopia of male at the age of the first grade of primary school is 9.57± 1.10% in the city, 6. 5±70.96% in farm village and 6.25±1.01% in fishing village. Probability of the male in the city is 0.05 in comparison with others.
But the difference of incidence in female at this age is not significant. (8.85±1.04% in city, 8.15±1.14% in farm village and 8.97±1.22% in fishing village).
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