各科のトピックス 眼科から
小児の屈折異常
丸尾 敏夫
1
1東大分院眼科
pp.375
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203554
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小学生には近視より遠視が多い
小児の屈折異常というと,わが国では大部分が近視であると一般に信じられているようである.事実,文部省の統計によると,小学生では,近視が10-20%を占めており,これに対して,遠視は1%に満たない.ところが,これがおよそ現実とは異なる不正確な集計であることは案外知られていない.
最近,わが国でも,小児眼科に対する関心の深い研究者によって,小児の屈折状態についての調査が相次いで報告された.その結果は,従来の文部省統計とはまったく異なり,小児の屈折状態は年齢によって違うけれども,少なくとも小学生の年齢では,遠視の方が近視にくらべ,かなり多いことが明らかとなった.
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