銀海余滴
視力矯正か屈折矯正か
湖崎 克
1
1大阪市立小児保健センター
pp.1331
発行日 1969年11月15日
Published Date 1969/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204177
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われわれが眼科医として教育を受けたさい,最初に教わるのはcorrectionである。視力検査,屈折検査とともに,眼科医第一歩として,われわれは習熟しているはずである。ところが十分な知識を持つているはずのcorrectionで最近疑問に思えることが幾多もあらわれてきた。
それは,correctionが視力矯正の意味か,屈折矯正の意味なのか不明だからである。われわれが小児保健センター外来で小児の屈折異常を検査していて,明らかに強い屈折異常を持つているにもかかわらず,眼鏡を全く用いていない小児があまりに多すぎる。その時今までに眼科医に受診したさい,眼鏡使用をすすめられなかつたかを問いただすと,すべて眼科医が,眼鏡で矯正視力が出ないからとか,眼鏡の効果がないからとかいつた理由で,眼鏡をすすめていない。
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